おしりの皮膚をキレイにするなら、民間療法に注意

アトピー肌の方でおしりにも症状がでてつらい、なんとかしたいといろいろ試したり皮膚科にかかったりしている方で、一向に良くならない…といった方が非常に多くいらっしゃいます。

この問題の一旦として、大きく2つの要因があがってきます。

ひとつは医師による治療法の違いが挙げられます。
例えば、小児科医に行くと、食べ物制限を指導され、皮膚が改善しないと制限品目は増えていく、。ところが皮膚科医に行くと、外用剤が中心の治療で食事は何も指導されなかった。といった具合です。

また、過度な食べ物制限により生じた成長障害のみならず、家庭内で多くの制限を加えることにより生ずる精神的なストレス、これも負の要因になります。

食生活の苦労、通常の社会生活の制限やダニ除去に明け暮れる毎日など、患者のみならずご家庭の周りの方までノイローゼが生ずる事もあります。

もう一つは現在、マスコミによる報道や多くの健康雑誌が氾濫し、素人療法や民間療法がブームとなっている点です。

自分の健康を考え、予防的に行うのは構いませんが、現在患っている病気そのものの治療法として、医師の指導や管理なしに行うことには賛同できません。

その結果、それほどひどくなかった方が、明らかに悪化して通院されるケースをこれまで数多く見てまいりました。

この健康ブームに便乗して営利を目的とした民間療法が数多く見られました。民間療法はその多くがステロイド性悪説を唱えています。ステロイドの副作用を強調し、中止してこの療法を行えばアトピーが治るという具合です。

明らかな医学的データも理論もなく、どこの研究でも証明されていないものがほとんどです。

しかし、その中にもわずかですが基礎的な研究が行われ、補助的な治療として役立つものも含まれています。それらは第三者機関により、もっとしっかりと評価・検討されるべきだと思います。
更に詳しい事はこちら⇒おしりできもの

おしりの皮膚に触れる様々な要因をチェック!

おしりの基本的なスキンケアとして「入浴」があります。
汗や汚れをおとすばかりでなく、1日の疲れを癒してくれる大切な時間です。

皮膚の清潔はアレルゲンの除去にもつながり大切なことですが、1年を通して洗いすぎやこすりすぎが目立ちます。ナイロンタオルやボディブラシの使用は極力避けるべきです。

次に石鹸やシャンプーによるかぶれ、皮脂膜のとりすぎもあり、皮膚科医は低刺激の石鹸をすすめ、おしりの洗い方まで指導しています。

市販の入浴剤は、一般的に保湿、保温作用が認められており、特に使用に問題はありません。

しかし、中にはムトウハップなどの「硫黄系」のものもあり、それらは乾燥肌の方には肌荒れの原因となりますのでNGです。

上記は高齢者の方で今だに愛用されているようですが、肌の免疫力が低下してきている年代にはあまりおすすめできるものではありません。

このほか、整髪用、化粧品、洗剤などの洗い流したものがおしりに付着したり、衣類から皮膚を悪化させる要因が多く、それを取り除く、若しくは避けるだけで皮膚が改善する場合も少なくありません。

このように、患者さんごとに身の回りの環境や食事などの種々雑多の要因により実に厄介な文明病という形でアトピー性皮膚炎はつくられています。

そこでこの病気と上手に付き合い、早期に良い状態を得るためには、かゆみのコントロール、皮膚症状の改善、原因の究明と生活環境のチェックという3つのポイントをしっかりと行うことが重要なのです。

おしりをアトピーから守るために生活環境をチェック

おしりのアトピー対策として、よりクリーンな住宅に変えてしまうのも有効な方法のひとつです。とくにダニなどをチェックして行くのがポイントです。

病気のはじまりを思い返してみると、あの時、あんな事をしたからかもしれないといった出来事が思い出されます。

しかし、身近に接して生活するものは、意外と認識されていません。

特にいろいろなものと接する「おしり」は家のなかの環境因子が大きく関わっている事があります。

近年建てられる住宅は、機密性のよい建材、絨毯やカーペットの常設、コンクリート住宅や冷暖房機器の完備など、わたしたちの生活を快適にしてくれる反面、アレルギーに関与するハウスダストやダニが、年間を通して、しかも大量に室内に存在するという状態を招きました。

さらに室内は梅雨時期以外でも高温多湿となりやすく、カビ類が大幅に増加しています。通気性をよくするために窓をあけると、花粉などの影響をモロに受けます。

夜は布団の中や表面にいるハウスダストやダニが皮膚についてゆくのです。

このように安住の場所であるはずの自宅が、実はおしりのアトピーを起こすアレルギーの元凶とはショックな話ですが、紛れもない事実です。

対策としては絨毯、カーペットはこまめに洗うか、思い切ってフローリングしたり、寝る部屋を変えるだけでも皮膚が改善する場合もあります。

布団を日に干して叩くことは重要ですが、ダニを取るには専用の掃除機が最適です。今ではダニよけのシーツやカバー、枕や布団まで存在しています。

ステロイド剤の使用方法豆知識

ステロイド剤の安易な使用や不適切な使用により、おしりなど皮膚局所での副作用があらわれるようになりました。

この問題は使う側に大きな不安を与え、せっかくもらった薬剤を医師に相談なく中止したり、制限した結果、急速に皮膚は悪化し、社会生活ができなくなり、最悪な場合、入院することとなってしまう患者が多く見られました。

また、ステロイドの副作用を全面にだし、営利を目的とした民間療法も多く見られ、被害者も少なくありません。

医療側もそれら問題点を考慮し、その対応策と適切な使用法をより明らかにしています。

ステロイド剤の使用方法ですが、
①使用部位あわせる
おしりや首の皮膚は薄く、血行が豊富なので、ステロイドの吸収率が高い。副作用を考え、血管拡張のしにくい弱めの非ハロゲン系を使うこと。

②年齢にあわせる
小児と老人は副作用がでやすい。

③皮膚症状にあわせる
症状にあわせて、薬剤効果の中間程度の中から選ぶ。
重症例は、効果の高いものを「短期間」使用するか、亜鉛華軟膏などを重ねて貼る、ガーゼ包帯や密封療法、内服薬との併用等で効果をあげる。
塗り方は、手のひら全体を使用し、皮膚のしわ方向に沿って丁寧に塗りこむ。

④治療経緯にあわせる
副作用を恐れ、不十分な治療のまま薬剤の使用を中止する例が多い。
症状改善後は、段階的に効果の弱いものに切り替え、非ステロイド系外用剤、止痒剤や尿素系などの「保湿剤」を活用する。

⑤かぶれに注意する
まれに皮膚が薬剤にかぶれている場合もある。
外用して数時間後にかゆみを感じるようなら、薬剤を変えるか、再度皮膚科医にパッチテストをしてもらう必要がある。

これらの方法で、おしりなど敏感な部位でも十分皮膚症状をコントロールすることができます。

おしりの皮膚症状とアトピー対策

おしりに限らず、全身にあらわれるアトピー性皮膚炎の原因は複雑でいろいろな要因が組み合わさっています。その結果、皮膚は慢性かつ治癒が難しい状態に陥ることになるのです。

おしりの皮膚状態に合った外用薬を選び、きっちりとしたスキンケアをすることでかゆみの循環を断ち切り、皮膚症状が改善すれば、この厄介な皮膚病から解放されるでしょう。

ところが、短期間の治療で済む急性のおしりの湿疹と違って、アトピー性皮膚炎といった慢性のものは、季節や環境、ストレスなどの要因によって、一進一退を繰り返しながら、次第に慢性化かつ難治性へと移っていきます。

つまり適切な外用療法をしないと、雪だるま式に増大した慢性病変は、単にかゆみ止めの飲み薬や原因の除去だけでは解決できなくなってしまうのです。

現在、最も多く使用されているのがステロイドの外用薬です。ステロイドは強い抗炎症の効果をもつ、人工的に生成されたホルモンで、人体では副腎皮質から分泌されるホルモンを模して合成されています。

治療においては、湿疹をはじめとする皮膚病、皮膚炎、乾癬から悪性リンパ腫まで幅広く使用され、有効性は高く評価されています。

【ステロイド外用薬(剤)の薬効クラス分類】

最も強い:デルモベート、シフラール、ダイアコート
とても強い:マイザー、リンデロンDP、ネリゾナ、トプシム、プデソン、パンデル
強め:リンデロンV、プロマデルムリドメックス、フルコート
中間:ケナコルト、ロコルテン、アルメタ、キンダベート
弱い:デクタン、コルテス、メドロール、プレドニゾロン

かゆみを抑えるのは内服薬と外用薬どちらが適切か?

おしりのかゆみを止める為に医師から与えられる、または市販の薬剤で自己対処する場合、内服薬と外用薬、どちらが有効であるのか?考察してみましょう。

過去に成人型アトピーの治療で薬効クラスが強めのステロイド外用剤を使用した場合と、それよりクラスがひとつ落ちる中間クラスのステロイド剤に抗アレルギー剤の内服薬を併用した場合とを比較し有用性を観察したことがあります。

その結果は併用したほうが有用率が高く、しかもステロイド剤の総使用量も少なくて済むことがわかりました。

改めて、かゆみを抑える内服薬の有用性が確認されたということです。

就寝前にかゆみを感じ、無意識に皮膚をかき、熟睡を妨げられる場合が少なくありません。また、このような状態では十分な皮膚状態を維持することはできないでしょう。

就寝後にかゆみを生じやすいのは就寝後に身体に興奮を起こさせる刺激があり、
これを数値化する呼び方として「閾値(いきち)」というものがあります。

そしてこの数値は就寝後は昼間の100倍程度にも敏感になると言われています。

ということは、寝具やパジャマなどのちょっとした刺激によってもかゆみが発生します。そこで、おしりのかゆみを抑える内服薬を、夕食後ではなく、寝る前に服用するのが効果的です。

このほか、精神安定作用のあるマイナートランキライザーや作用時間の短い睡眠導入剤の併用も、かなり有効とされています。

かゆみの感覚は皮膚周辺の神経に広がるために、周辺の広い範囲でかゆみが起こるとされています。

適切な対策によっておしりのかゆみを引き起こす循環を断ち切ることがおしりのアトピー対策には必要なことなのです。

おしりがかゆい!アトピー性皮膚炎の対策法

おしりがかゆくなるととてつもなく我慢できなくなります。かけばかくほど症状は悪化し、かく行動が自制できなくなる精神的ストレスが更に悪化の要因ともなっています。

アトピー性皮膚炎治療の3大原則といえば

1.かゆみのコントロール
2.皮膚症状の改善
3.原因の究明と生活改善
の3つが挙げられます。

これらのポイントを適切に行えば、難治性と思われた症状でも、60~70パーセントは症状は改善し、その後の定期的な通院や自宅での治療によって良好な状態を維持できます。

痛みは我慢できてもかゆみは我慢できない、と言われているように、かゆみとは実に厄介なものです。

かゆみは皮膚疾患特有の状態であり、皮膚にある末梢神経の末端がその情報を受け、脊髄を通って大脳皮質に達し、最終的にかゆみを感じとります。

最近では、かゆみと痛みの刺激は同じ神経線維に存在することが明らかになりました。

医師の診断でかゆみを抑える目的で通常投与される薬剤は抗ヒスタミン剤です。最近は抗ヒスタミン剤に加えて、ヒスタミンが放出される肥満細胞に直接作用し、ヒスタミンの遊離を制御する抗アレルギー剤の使用が薬物療法の主流になっています。

かゆみの程度や皮膚症状の重症度、そして眠気やだるさといった副作用を加味して、自分にあった薬剤を飲むことで、おしりのアトピー最大の悩みである「かゆみ」を取り除くことが出来ます。

現時点でおしりがかゆくてたまらない!と自分がアトピーではないかと自覚されている方は、そのまま放置するのではなく、早めに専門知識をもつ医院へ通うことをおすすめします。

外用性が要因のおしりのアトピーとは

おしりのアトピーの要因としてもう一つ挙げられるのがⅣ型アレルギーの関与が指摘されています。

その仕組みとは、外から抗原が侵入し、Tリンパ球に情報が伝達、記憶され、次の抗原が入るとTリンパ球が反応してリンフォカインを遊離、放出してアレルギー反応が生じます。

特徴は、反応時間が48時間と長い遅延型反応です。

ある統計では成人性アトピー、重症度の高い3人にひとりの増悪因子は外用剤の接触皮膚炎であったという報告があり、ほかの統計でも同じように、化粧品や装飾品、革製品やシャンプーなどの接触性皮膚炎の発生率が高く、アトピー患者は身の回りの接触するものにも十分注意をして、常に外因を念頭に置き生活することが重要です。

おしりにアトピーが出やすい方は、皮膚のバリア障害をきたす非アレルギー的側面も重要です。

皮膚の最も外側にある角質層は、生体を外界から守る防御壁として、微生物、紫外線や種々の外的物質を通過させないバリア機能があります。

アトピー患者特有のドライスキン(乾燥肌)は冬の時期に多くあらわれますが、この症状は外界からの抗原が簡単に皮膚から侵入し、アレルギー性炎症を起こしたり、微生物が繁殖して感染症になりやすいためです。

皮膚の保湿能力を制御しているのは、皮脂膜、角質細胞間脂質、天然保湿因子の3つです。

とくに角質細胞間脂質にあるセラミドはアトピー患者と正常な肌を持つ人と比べると明らかに低下しています。

おしりのアトピーを防ぐにはこうした要因も踏まえ、適切な保湿も有効な治療法のひとつのなるでしょう。

おしりのアトピーの年齢別、発生要因

おしりのアトピー性皮膚炎発症のメカニズムをアレルギーの側面からみると、I型アレルギー、すなわち、アレルゲンが肥満細胞の膜でIgE抗体と結合し、ヒスタミンなどの科学伝達物質を放出します。

この反応は短時間で、炎症反応を引き起こす即時化型の反応です。

アレルゲン特異IgE抗体の陽性率を年齢別にみると、おしりのアトピーが年齢別に大きな違いがあることがわかります。

※陽性率とは、感染の有無を調べるために医学的な検査を行った際、被検体が一定の基準以上の反応を示す確率のこと。

0~9歳までは「卵白」がトップであり、次いで猫、ハウスダストの順です。

この時期は卵黄、大豆などの陽性率が高くなります。

食餌抗原は2~3歳を境に陽性率は急速にさがります。

3歳以降になると、ハウスダスト、ダニなどの環境抗原の陽性率が上昇し、遅れて猫やスギ花粉などが上昇します。

20歳代で陽性率が高くなる要因は、新たにマラセチア、カンジダ、米、小麦などが加わります。

※マラチアとは、カビの一種で、発育するために油が必要とする。
新生児を除き、それ以降の年齢に関係なく、顔や頸部、背中といった皮脂の多い部位に数多く常在しこれがマラセチアの要因となる。

マラセチアは脂漏部に存在する真菌で、カンジダは消化管由来の真菌で、腸管に存在し、成人の食べ物アレルギーに深く関わっています。。

治療面から考えると、最も経口摂取しやすい食餌、身の回りの環境抗原などに敏感に反応し、しかも複数の抗原が関与して病態を形成していくようです。

おしりのアトピーは年齢によってこのような要因に気をつけなければなりません。

急増するおしりのアトピー性皮膚炎

近年おしりのアトピーで悩む方が増えているそうです。

本来アトピー性皮膚炎とは、乳幼児時期に発症し、多くは思春期がピークで、12才~13才までに自然に治癒する小児皮膚疾患の代表とされてきました。

ところが、近年の環境変化、例えば住宅事情、機密性の悪い住宅、冷暖房の完備、大気汚染、花粉やPM2.5等の有害物質の飛来、増加といったものに伴い、様々なアレルゲンや増悪因子が増え続け、皮膚のバリア機能が犯されやすくなったことにより、おしりにあらわれるアトピー性皮膚炎の患者数はここ10年明らかに増加してまいます。

しかもおしりに対するアトピー例は、成人の方にも多く、それは従来の治療法に抵抗性で重症化、慢性化するため、しばしば日常生活に支障をきたしやすく、社会生活が営めない、精神的にノイローゼになってしまう、といったように大きな社会問題へともなりかねない勢いです。

小児を対象とした検診などの報告によると、やはり幼児・学童期の患者数も明らかに増加している結果が見られます。

とくに都市部での増加が顕著ですが、近郊や山村郡でもこの傾向はみられ、これら地域の都市化が強く関与していると考えられています。

さらに、50歳以降の高年型および60歳以上に老人型アトピーの患者数も近年増加の傾向がみられ、とくに寝たきりになるかたのおしりにアトピーのような疾患が出てきているという報告もあります。

今後、おしりのアトピー性皮膚炎の年齢分布がより複雑化する可能性があるのは間違いないでしょう。